だずびだーにゃ

鮭のむにえる

 

 

幼い頃の記憶が薄れていくように 絶対に忘れることはない 死んでも忘れない 全て鮮明に思い出す と思っていたことも、段々と記憶が薄れていく。

1年目は顔もどんな風に表情を作り話していたかも携帯の形色もどんな事を話していたどこに行ったかなど全て覚えていた。

2年目もおおよそ覚えていた。でも彼の笑った顔怒った顔がうっすらとぼやけていた。

3年目、完璧にどんな風に笑っていたかも写真を見なければ思い出せなかった。

4年目、わたしが悲しかったこと辛かった思い出しか思い出せなくなっていた。彼が話す声も正確にはわからない、顔も写真を見ないとぼやけてしまう。

探せば、ああこんな風に話していたなと思い出せるのことは分かっているけれど、あの時わたしだけに話した声はもう思い出せない

これが良いことなのかも悪いことなのかも分からない。再び会う勇気もないし決心もできない。怖い。忘れたくなかった、一生で1番心に残る出来事だったと思っていたかった